新型コロナを終わらせる方法!
患者さんから色々な質問を頂きますが、昨年から時折
「コロナはいつ終わるのかしら」
こんな質問を頂きます。
正直なところ、僕が知りたいくらいです(笑)という感じで
いつ終わるかはお釈迦様でも分かりません。
ただ
どうすればコロナ禍が終わるか
これは長い戦いの中で分かってきています。
医師でも学者でもない僕が声高らかに言えるような立場でもないですが医療に携わる人間として、少しでも皆さんに分かりやすく説明できればと思います。
全文を読むために5分ほど、お時間頂ければ幸いです。
コロナが始まり早1年。当てもなく続く長期戦は心身ともに疲れます。
正確な情報を抑えておくことで心の余裕を作りましょう!
◎コロナを終わらせるために知っておきたい3つのポイント
- コロナはここが怖い
- コロナはこうすると伝染する
- コロナはこうすると減る
コロナはここが怖い
コロナの恐ろしいところは、なんと言ってもその感染力と致死率の高さです。
致死率はコロナ陽性が確定した人数に対して1~10%(地域などによる)
季節性のインフルエンザの同じ数値は0.02~0.03%ですから、それの数百倍。怖いですね。
ちなみに、これはあくまで死に至った人のみで、ニュースで聞く重症化や後遺症止まりの人は含まれていません。実害が出る割合で言えばもう少し高くなる、という事です。怖いですね。感染力は、次の項目でご説明いたします。
コロナはこうすると伝染する
新型コロナの怖さでもある感染力についてです。
ウイルスというのは、必ず動物の細胞に取りつかないと数を増やせません。
本来、その細胞はウイルスにより限定されます(ヘルペスウイルスは神経、など)
新型コロナウイルスはまず、喉の奥で増殖を始めます。
喉で増殖をするという事は、呼吸に合わせて喉の奥にいたウイルスが飛ばされます。
これが、飛沫感染です。
季節性インフルエンザも喉で増殖しますが、コロナと比べると感染から早いうちに
高熱や倦怠感などの強い症状がでます。
一方、コロナは喉で増えていても無症状であることが多い。
これが、無自覚症状者がウイルスを拡散してしまう原因です。
インフルエンザのように、患者が動けなるほどの症状が初期から出れば、これほどの拡大はしなかったでしょう。
更に、耳に新しい「エアロゾル」という言葉があります。
通常、飛沫感染とは唾液などの水分に覆われたウイルス(飛沫)を吸引することで起きますが
この飛沫の飛距離は2mほどで(咳くしゃみや大声の場合はもっと距離が伸びる)その先は重さで地面に落ちてしまいます。
「エアロゾル」というのは、この飛沫の水分がごくごく微量で、空中に漂える程度の重さのウイルスを含んだ飛沫が空間をふよふよと浮いている状態をさします。ウイルスを長時間生き永らえさせる水分とともに…。
これにより、その空間で撒かれたウイルスはどんどん増えていき、たとえ感染者がその空間に居なくても、後からそこに入ると感染してしまうのです。
このように、2パターンの大きな侵入経路を持つため、感染力が強いという事になります。
コロナはこうすると減る
ある病原体がもつ感染力を示す数値に「Ro(アールノート)」というものがあります。
感染者1人あたり、何人に伝染させるかを示した数値で
これが1より低ければ、徐々に感染者は減っていくことになります。
これも国によりますが、新型コロナウイルスのRoは概ね2以上
何も対処をしなければ倍々ゲームで感染者数は増えていきます。
この数値を1未満に下げることが、コロナの勢いを弱めることに繋がります。
どうすれば下がるのか、それは【2】で紹介したコロナの感染経路に対策をすることです。
いまや誰がウイルス保持者かもわかりません。
「自分もウイルスを運んでいる」というスタンスで行動をとれば間違いないですね。
・マスクを着ける =飛沫を前に飛ばさない・大声を出さない =飛沫を勢いよく飛ばさない・人との距離を取る=飛沫の飛距離外にでる
耳タコなくらい聞いたこれらの行動、ちゃんと効果があります。
次はエアロゾルによる感染の対策です。
・換気をする=漂っている飛沫を外に出す
これに尽きます。エアロゾルの中では通常のマスクを着けていても、吸引する分のウイルスは防げませんので、エアロゾルを換気することが最も確実な方法です。
寒いですけどね!これから花粉も飛びますけどね!頑張りましょう!!
更に重要なもう1点
極論、ウイルスというのは、体内に侵入されても増やさなければ何の害もありません。
そのために重要なもの。そう、個人の「免疫」です。
免疫に関する書籍やサイトは星の数ほどありますが、基本はこれだけ
・バランスよく栄養を取る・睡眠をとる
本当にこれだけなんです。
免疫というのは、体の色々な機能が正常に働くことが重要です。
偏りがあってはいけないのです。
なので、〇〇だけでオッケー!という耳触りの良い方法は存在しません。
ウイルス感染予防は文字通り、ウイルスと免疫の戦いです。
取り込む量を減らし、自分の防御力を高める
敵の数が少なければ勝ちやすいですし、防衛機能が上手く働かなければ負けやすいです。
何時に食事をするとか、どこへ行くかとか、そんな事は問題ではありません。
いかにウイルスとの接触を減らし、自分の身体を守るか。
そうすることでウイルスの感染力を減らし、ひいては患者数も減少していきます。
最後に
残念ながら、今回の新型コロナウイルスが完全になくなる事はないでしょう。
しかし、ウイルスの感染者や重傷者を減らしていけば、医療の力で
「新型コロナ感染症」を、死なない病気にスケールダウンさせることは可能です。
それにはどうしても時間がかかりますが、前述した知識をもとにすれば
「こういう旅行のプランなら大丈夫」とか
「こういう外出や趣味なら大丈夫」とか
出来ることがどんどん増えていきます。長期戦には適度なガス抜きが必要不可欠。
ご自身でリスクを管理して、気持ちに余裕をもってコロナを終わらせましょう。