「歩きすぎ後に起きる腰痛」の対策お教えします
「長く歩きすぎたせいか、腰が痛くて…」
こんな症状を訴える患者さん、少なくありません。
中でも多くみられる、
- 腰の真ん中が痛いタイプ
- 骨盤の上あたりが痛いタイプ
この2タイプについて、今日はその原因と予防法を、対処法を紹介いたします。
腰痛のタイプ
腰痛に限らず、体に痛みが出る時には様々な原因があります。
腰痛の場合、筋肉・骨・関節・神経など痛みの原因も多岐に渡ります。
今回ご紹介するのは、最も多い筋肉による腰痛【筋筋膜性腰痛症】というタイプです。
【筋筋膜性腰痛症の特徴】
この腰痛で痛みの出る原因はとてもシンプルです。
名前の通り、筋肉(筋膜)由来の痛みなのですが、筋肉の疲労やコリによって痛みが生じます。今回は、歩きすぎからくる腰痛の対策なので、歩くときにどんな筋肉が、どんな要因で負担を受けているのかを知ると、より予防効果が高くなります!
「歩く」という動作で負担のかかる筋肉
今回取り上げる腰痛で、負担のかかっている筋肉は主に
- 真ん中タイプ →脊柱(せきちゅう)起立筋(きりつきん)(背筋を伸ばす筋肉)
- 骨盤の上タイプ→中(ちゅう)殿筋(でんきん)(体のブレを抑えてバランスを保つ筋肉)
という筋肉です。
もちろん、歩く以外での動作の時も良く使うのですが
なぜ「歩く」という動作の時によく痛むのか、その理由についてご説明いたします。
キーワードは【重心】
筋肉と言うのは、重心のブレが大きくなるほど負担も大きくなります。
少し前から、ケガの予防としてインナーマッスルのトレーニングが注目を浴びるようになりましたが、これと大きく関係しています。
インナーマッスルは良い姿勢、つまり重心のブレが少ない姿勢や動作をする際に不可欠ですからね。
重心のブレが大きくなると、そのブレはインナーマッスルでは支えきれず、もっと大きな筋肉を使用する必要があります。
より多くの筋力が必要となるわけです。
歩く、特に今回は外出時に歩きすぎた、というシチュエーションですが、
重心のズレを大きくする要因は大きく2つ。
それは荷物と、体型です。
腰への負担を最小限に
人の身体は運動をするとき、自然とバランスを取ろうとします。
右側に荷物を持っていれば、そちらに倒れないように左を緊張させる
といった具合です。一瞬一瞬の負担は小さくても、それが長時間となると
負担は着実に体へ蓄積していきます。
運動のための歩行でない限り、何かしら荷物を持っている方が大半だと思います。
この荷物がまさに、重心をずらす原因の一つになってしまいますので、歩行後の腰痛対策には荷物のことをしっかり考えてあげることが大切です。
また、多くの人にとって耳の痛い話かもしれませんが、体型。
特に下腹部の肉付きは腰を反らせて対応しないとならないため、歩行のみならず慢性的に腰の真ん中辺りに負担がかかることになります。
妊娠後期の妊婦さんがなる腰痛と同じ原因ですね。
こちらも、重心の偏りによる負荷ですので、荷物の持ち方でも、ある程度は対応することができます。
しかし、ある程度はあくまである程度ですが…(^^;
もちろん、余分な内臓脂肪を落として上げるのが最も良い予防法です。
内臓脂肪は食事のコントロールで劇的に落とせますので、興味のある方は過去記事の
「マイペースが良い糖質制限」を参考にしていただくのがお薦めです。

荷物の持ち方に気を付けよう
では、最後に肝心の腰痛対策を書いていきます。
最初に、今回取り上げている筋・筋膜性腰痛というのは、筋疲労の影響を強く受けます。
筋肉は、連続して使うと疲労するだけでなく、コリが生じて回復力の低下を招きます。なので、負担のかかる筋肉をローテーションしたり、休憩を挟むことがとても重要になります。
僕自身の経験からエピソードを一つ。
休日に出かける際の荷物は大体ボディバッグのみなのですが、これをお腹の前で持つ習慣があります。昔から空手を習ったり、最近では阿波踊りをやったり、姿勢や体幹には自信ある方なのですが、数時間外出していると腰が痛くなってきます。
「腰、痛いなぁ」と思いながら歩いていましたが、ふと上記のことを思いつき、バッグを腰の後ろに回したところ、すっと痛みが消えました。
それから、時折バッグの位置を前、横、後ろと変えながら外出を続けたところ、痛みが出ることはありませんでした。バッグをお腹の前に置いて、かつ背筋を伸ばしていたことで、腰の筋肉に余計な負担をかけてしまっていたんですね。
また、筋肉への負担は、負荷になる重さが重心から離れるほどテコの原理で高まります。ですので、荷物を持つ際はお臍の近くに持ってくるようにすると良いです。但し、肩にかけている場合は下げるほど肩への負担が強くなるのでお気を付けください。
最近はノートPCなど重たいものを持って出勤しなければならない人も増えているようなので、持ち上げなければいけないときは腰で支えられるリュックなどに入れ、時には前、時には後ろに持ち替え、床や棚に置けるときは置いて筋肉全体を休められるようにしましょう。
例えば、こんな感じのバッグです→
いかがでしたでしょうか。腰痛の原因は多岐に渡るため、個人ごとに効き目は異なるかと思いますが、お役に立てば幸いです。
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