ジンジン痛む。古傷の正体、でき方、付き合い方について
若気の至り、働きすぎ、人生いろいろある中で体に残った傷跡、いわゆる古傷。
整骨院の患者さんでも「古傷の部分が痛む」と仰る方は少なくありません。
今回の記事では、古傷がなぜできるのか、古傷がすでにある場合はどうしたら良いのかなど、ご自身や周りの人たちと共有できるようなお話を書かせて頂きます。
〇もくじ
1章、古傷は出来るだけ作らないように
・古傷の正体
・古傷のでき方と予防法
2章、古傷になってしまったら
・古傷って治るの?
・古傷との付き合い方
1章 古傷は出来るだけ作らないように
・古傷の正体
古傷というのは俗称ですが、医学的には『瘢痕(はんこん)』と言います。
ケガをすると、体はそれを自分で修復します。その修復を治癒と言い、痕(あと)を残さずきれいに治ったものを一次治癒、何かしら痕が残ったものを二次治癒と分けています。
この何かしらの痕というのが古傷、瘢痕という訳ですね。
理想的な治り方は、損傷してしまった組織同士がキレイに繋がって元通りになる事ですが
傷が治る際に邪魔する要因があると、体はキレイに治すことを諦めて、別の組織で損傷箇所を埋めてしまうのです。
例えば、肉離れを起こしてしまった場所がコリコリと硬いしこりになることがあります。
これは、損傷した筋肉同士がくっついたのではなく、結合組織というパテのようなもので傷口を修復してしまった結果です。
新入り「ここ、まだ治ってないんです!最後までやらせてください!」
先輩 「馬鹿野郎!同じところにいつまでも手間割けるか!さっさと埋めて次行くぞ!」
とまぁ、こんなイメージですね(笑)
筋肉の組織と結合組織は全くの別物。ゴムとセメントくらい差があります。
もともと一本だったゴムが千切れ、真ん中をセメントで固めた場合、ゴムは元の様には伸びません。また、ゴムとセメントの繋ぎ目自体も傷つきやすく、再び痛める可能性が高い箇所になってしまいます。
付け加えると、筋肉の周りにある筋膜という組織は鈍い痛みを感じる働きがあり、この筋膜も巻き込んで固められているので、鈍く疼くような痛みが出てしまうのです。
・古傷のでき方と予防法
二次治癒になってしまうのには、もちろん原因があります。一般的なものとしては
- 損傷が大きい
- 損傷部に感染や異物がある
- 回復までに時間がかかった
などが挙げられます。
ケガをしてしまったものは仕方ないですが、その後の過ごし方で古傷としての残り方が変化します。上に挙げた3つの中でも特に「回復までに時間がかかった」この項目は個人の意識や努力で大きな差が出てきます。
回復までに時間がかかる要因としては
「ケガをした箇所を使ってしまう=痛みを我慢して使う」
「ケガをした箇所周囲の組織(筋肉など)が硬い」
などが多いです。例えば、常に体重のかかる足首の捻挫や、ふくらはぎの肉離れ、などは古傷になりやすい代表格です。捻っただけだから…と固定もせずに放置したり、まだ痛いけど格好悪いから…と早々に松葉杖を手放したり、身に覚えのある方も少なくないかと思います。
さらに、慢性疲労が急激に悪化したタイプのぎっくり腰などでは、痛みが1か月、2か月と長引く場合があります。通常は数日でかなり改善がみられるのですが、周囲の筋肉が疲労で硬まっていると、これも回復力を低下させて完治が遅れるケースがあります。
2章 古傷になってしまったら
・古傷って治るの?
結論から言えば古傷、つまり瘢痕化した組織が元の状態に戻ることはありません。
皮膚に残った若い頃のニキビ跡のように、生涯を共にすることとなります。
ですので、ケガをした際は放っておかず、しっかりと治療を受けるように心がけましょう。
・古傷との付き合い方
しかし、古傷になってしまったからと言って、一生涯その部分が痛み続けるわけではありません。古傷の痛みというのは、ある条件が重なると出てきてしまうので、その条件が重ならないように日々を過ごすことで、症状に悩まされる機会を減らすことは可能です。
瘢痕化してしまった部分は十分なパフォーマンスを発揮することができません。
しかし、周辺の組織を健康に保つことで、その部分をフォローでき、症状を抑えられます。
そのポイントは
・疲労を溜め込まない
・不必要に冷やさない
・筋力を維持する
などが挙げられます。痛めた箇所や年代、運動習慣などによって詳細は変わってきますのでもし、お困りであれば、筋肉や靭帯などの運動器に詳しい治療家を訪ねると良いですよ。
もちろん、近所の方は当院まで(笑)
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