膝のお悩み相談【クセにならない膝の水の抜き方】とは
はじめに
整骨院には、膝の痛みやお悩みでご来院される方も多くいらっしゃいます。
その中には、すでに整形外科などに通われていて
「膝に水が溜まっている」
と言われ、どうしようか悩んでいるという方も少なからずいらっしゃいます。
この記事では
- そもそも膝の水って何なの?
- 抜いてもクセになるって聞くけどどうなの?
- 結局、水は抜いたほうがいいの?
などなど、皆さんが多く持たれる疑問を分かりやすく解説したいと思います。
膝の痛みでお悩みの方は、ぜひ参考になさってください!
第1章:そもそも、膝の水って何なの?
膝に限らず、人体はいろいろな場面で体内に水が出ます。なかでも膝などの関節に水が出る場合は、その場所に炎症がある。という事を示しています。炎症を抑えるために、患部に水が集まっているんですね。
炎症(火)を消すために水が集まる、というイメージ
しかし、炎症を治すために出てきたはずの水ですが、炎症が強すぎたりして水の回収が追い付かないと、患部にどんどん溜まって大きく腫れてきてしまいます。
炎症の水は、関節内の袋に溜まっていくのですが、袋がパンパンになると周りの組織を圧迫して痛みが出たり、関節が曲がるときに邪魔をして曲がりにくくなったりする要因になります。
過ぎたるは及ばざるがごとし、と言いますが、良かれと思ってやったことが裏目に働いてしまうというのは、こんなところでも起きてしまうんですね。
・治りが悪く水が減らないと、痛みや動きを悪くする原因になる
第2章:抜いてもクセになるって聞くけどどうなの?
水を抜いてもクセになる。つまり繰り返してしまって意味がないという事ですね。
この章ではそれについて考えていきましょう。

膝の水を抜く、というのはお医者さんだけができる注射器を使った医療行為です。関節内の袋に溜まった水を抜くことで、痛みや動きの改善をします。
ですので、水を抜いた後は一定の症状改善が見られ楽になります。痛みを取り除く、というのは治療においてとても大切なことです。治療期間中ずっと痛いと、ストレス半端じゃないですもんね。
ただ、ここで注意しなければいけないのは、水を抜くことで改善するのは、水による圧迫で生じていた痛みと動きの悪さです。
お気づきでしょうか…そう、水が出る原因である、炎症を治していないのです。
炎症が治っていないため、抜いた水は時間が経てばまた溜まる。
これがいわゆる、「クセになる」という現象の実態なのです。
・水が出る原因になった炎症に対処しなければ、水はまた溜まる
第3章:炎症に対する治療とは
炎症は、体を正常な状態に戻そうとする反応の1つで、ケガした場所や、感染した場所、アレルギーが起きた場所などいろいろな場所に生じます。
膝の水が溜まっている場合、靭帯や半月板など、膝の組織にケガ(損傷)が起きているケースがほとんどです(感染症などの場合もあり)。
~病院の治療例~
病院で水を抜くのと一緒に行われる炎症への処置は、ヒアルロン酸の注射や、膝周りへの温熱療法、電気療法などが一般的です。リハビリを併設している病院では、マッサージなどを行うところもありますね。
注射で消炎成分を注入し、膝周囲の血流を良くして回復を待つ、といった感じですね。感染症だった場合は、抗生物質などが処方されます。
さらには、あまりにも長期化した場合や、症状がひどい場合は、最終的に人工関節などの手術が選択肢に入ってきます。
~整骨院(僕)の場合~
一応、ここでは僕の対応を簡単に紹介させて頂きます。整骨院と括らないのは、治療院により施術内容は様々で、紹介する内容がすべての治療院で行われるわけでは無いためです。
消炎剤や物理療法で治らない場合、負傷した組織にかかる日常の負荷が回復できる量を超えてしまっている状態です。
その原因は、使い過ぎや骨格の歪み、休養の不足などに由来するものがほとんどです。
骨格の矯正や、歩き方・しゃがみ方など体の正しい使い方を覚えることで、1日当たりの負荷量を減らし、回復力>負荷量のコンディションを作ってあげることが、とても大切です。
治療方法の違いを大まかに書いてみましたが、これはどちらの方が良い、という訳ではありません。整形外科では骨格の矯正や、細かな日常生活指導はしてくれませんが、僕たち整骨院では水を抜いたり、消炎の薬を処方することはできませんし、靭帯や半月板の手術などももちろんできません。それぞれの特徴を理解して利用していただくのが良いですね。
僕自身も、炎症がひどすぎる場合は整形外科との併用をお勧めしています。
・医療機関によって治療のやり方が異なる
第4章:結局、膝の水は抜いた方が良いの?
僕個人の考えですが、膝の水は適度に抜いたほうが良いです。
理由は、水が溜まるほどの膝は通常、治るのにある程度期間が長くなるためです。
ケガにしても病気にしても、回復に長期間を要するとき、もっとも考えなければいけないことの一つが体力の低下です。
「筋力の低下は寝たきりを早めます」
膝の水を抜かずに膝の治療を継続していく場合、その痛みによって日常生活での動きが減少し、体力の減少を早めてしまいます。ですので、
症状を軽減させて少しでも体力の低下を遅らせながら治療に臨むのが最適と考えます。
また、水の溜まる日数を比べることで、炎症が回復しているかどうかの指標にもなりますので、現在の治療法で間に合っているかどうか判断する材料にもなりますね。
ただし、症状が楽になったからと言って、患部に痛みを生じるほど動いてしまっては元も子もありません。その辺りの管理は、同時にしっかり行っていきましょう。
まとめ クセにならない膝の水の抜き方
と、言う訳で…クセにならないように水を抜く方法とは
「膝の水を抜くだけでなく、元になる炎症にも同時に対処する」でした。
いかがでしたでしょうか。原因を治さずに症状だけに対処するのは、根っこを抜かない草むしりと一緒です。しかし、症状を楽にすることで、原因に対処しやすくなるのも事実です。
特に膝は体重を支えるという重要な使命を持っています。原因と症状、療法に対処して治しましょう。
余談ですが「クセになる」というのはぎっくり腰などでも聞きますが、これもぎっくり腰の原因になる筋肉の硬さや日頃の使い方に対処しないままにしておくのが原因です。
どのような症状でも繰り返し起きてしまう時は、症状だけでなく、その原因に対してもアプローチしましょう。
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