『絶対NGな、こどもの座り方』将来の膝痛、外反母趾の原因になる座り方
うちの息子も、今年ではや6歳になりました。
自宅にいるとどうしても、だらけた姿勢でいる事が多いです。
もちろん、常にいい姿勢を…なんて厳しいことは言いませんが、お座りが出来るようになってから、頑なに注意してやらせない座り方があります。
その座り方は「下腿外旋症候群(かたいがいせんしょうこうぐん)」
というあまり耳馴染みのない状態を引き起こします。
簡単に言うと、膝のねじれによっておきる症状のことです。
この膝の歪みにより、膝の痛みや変形、足の疲れ易さや外反母趾などといった、日常生活に支障が出る症状が引き起こされてしまうのです。
※下腿(膝から下)が外旋(外側に捻じれる)した状態→
さて、前置きはこのくらいにして本題に入りましょう。
この記事では、
・下腿外旋症候群を引き起こす座り方
・膝痛や外反母趾になる理由
・どんな座り方がいいのか
上記3つの項目に分けて、説明させて頂きます。
下腿外旋症候群を引き起こす座り方
膝のねじれを作り出してしまう座り方で代表的なものは
「アヒル座り」と「横座り」このふたつです。
成人後の女性でも良くみられる座り方ですが、
とにかく子供は左図のアヒル座りが多いです。
息子だけでなく、知人の子供にもよく見られるので
お節介かなと思いつつも、その度に注意をしています。
アヒル座りは両脚が、横座りは片側の脚が太ももに対して外旋しているのがお分かりいただけるかと思います。椅子に座らせていればほとんど心配ないですが、床に座って遊んでいるときなどは、注意してあげるようにしてください。
・膝痛や外反母趾になる理由
前項で、膝がねじれる座り方はお分かりいただけたかと思います。
ではなぜ、膝がねじれるだけで膝の痛みや外反母趾になるのでしょうか?
まずは膝の痛みからご説明します。
最初にお出ししたこちらの写真のように膝がねじれていますと内側と外側で靭帯や腱、筋肉などの引っ張り加減に差が出来ます。
これにより、強く引っ張られている周辺の組織がストレスをうけて、痛みを生じるようになってしまいます。
組織が柔らかい子供のうちに感じることは少ないでしょうが、成長期以降に筋力が強くなったり、骨が硬くなって以降は痛みが生じる可能性がグッと高くなります。
また、膝のねじれは緊張の差だけでなく、内側と外側で骨の当たり方にも差を作ります。
こちらの図をご覧ください
左は正常な状態、真ん中はねじれにより内側だけが強く当たるようになった状態
そして右はその状態が長く続くことで軟骨がすり減った状態、いわゆる変形性膝関節症の状態を表しています。
変形性膝関節症って、こどもの病気じゃないよね?と思われたのではないでしょうか。
そう、膝のねじれは幼児期、成長期にとどまらず、生涯にわたって影響を与えるのです。
もう既に十分なくらいですが、次は外反母趾についても知っておきましょう。
外反母趾が起きる原因は、足裏への体重のかかり方に大きく関係します。
正常な状態では、体重(赤線)は踵の中心から中指方向に向かっていき五本の指全てに体重をかけながら抜けていきます。
しかし、下腿が外旋した状態ではどうでしょう?図をご覧ください。
体重の動きを示す赤線は踵の外側から親指の方へ向かっていますね。
この体重の動きだと、親指が横から地面に押し付けられる形になってしまうため、この負荷の繰り返しにより親指の骨が体の外に向かうように変位してしまうのです。

これが外反母趾も引き起こしてしまう理由です。
外反母趾になる過程は偏平足とも関連が深いです。
外旋状態の脚では、5本の指に正しく体重がかからないため、足裏が本来持っているサスペンションの機能、足裏のアーチを十分に使うことができません。
使われない機能は衰えていくのが生物の定め。
特に幼少期から使われていなければ、そもそもアーチの形成すら不十分になってしまうでしょう。
下腿外旋だけが偏平足の原因ではないですが、大きな要因になっていると僕は考えます。
いかがでしたか?生涯にわたる膝の痛み、外反母趾や扁平足、もちろんそれらに伴い下半身の疲れ易さや運動機能の低下まで影響を及ぼす可能性があるのです。

僕が息子にアヒル座りを許さない気持ち、皆さんに伝わったでしょうか?
では最後にどんな座り方が良いのか、というお話です
理想的な座り方というのは、目的やその人の状態によって変わるため、あくまで今回は
下腿の外旋を起こさずに日常を過ごすための座り方です。
イスに座る
椅子に座った状態は、基本的に膝の外旋は起きません。ただし、思春期以降の女性などで、またを開かないようにするため、膝までを閉じて膝から下は広げているという形を時々見かけますので、それには気をつけましょう。
正座とあぐら
床に座るときは、上記のどちらかをお勧めします。体育座りも下腿の外旋は起きませんが、腰が丸まってしまうのであまりお勧めはできません。
ただし、正座を取らせていてもいつの間にかアヒル座りになっている可能性もありますので、踵の上にお尻が乗るように、しっかり見てあげてください。
お子さんが元気に成長できるよう、ぜひぜひ、座り方には気をつけてあげてください。
また、子育てはその子によって千差万別。「うちの子はどうかな?」とちょっとでも
疑問をお持ちになったら、遠慮なくご相談ください。
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