あなたの枕が合わない理由
「枕が合ってないのかもしれないです」と、患者さんからよく伺うことがあります。
近年は枕外来や枕専門店ができるなど、枕に関する関心が非常に高まっています。
そんな枕に関する不具合の理由と解決法、お教えします。
万が一、家庭の事情などでこのような枕を使っている場合は、この記事を読んだ後すぐに寝具店へ!
これは、「枕があってない」です(笑)
理由①「背骨がコリ固まっている」
今まで使っていてなんともなかった枕なのに、最近合わない気がする…
果たして枕が変わってしまったのでしょうか。
確かに、長年使えば枕もヘタって来ますが、残念ながら変わってしまったのは
枕ではなく…あなたの方なのです。
床に寝た際、重力が働く方向がかわり、頭と背中、骨盤の位置関係が変わります。
その際にできる位置のずれに対して、背骨の固い人は対応できず、寝苦しさを感じます。
背骨が固くなる原因はずばり、長時間の同じ姿勢をとることです。
悪い姿勢ではもちろんですが、いわゆる良い姿勢であっても、1時間以上同じ姿勢を続ければ背骨周りの筋肉は固まってしまいます。
同じ姿勢で作業を続けるときは、1時間を目安にして、軽く体を動かし、背骨が固まらないよう気をつけましょう。
運動で解消する方法もありますが、固まってしまった筋肉を運動でほぐすよりも
固まることを予防することの方がずっと効率は良いですよ。
両方できると尚よいですね。
理由②「巻き肩である」
巻き肩というのは、肩甲骨が胸の筋肉に引っ張られて肩が巻き込んでしまっている状態です。猫背の原因にもなりますがたまに、一見背筋は伸びているのに巻き肩の人もいらっしゃいますので、油断は禁物です。
巻き肩は胸筋などのコリのせいで肩が強制的に前に出ている状態ですので仰向けになった際、肩の両端が床につかず、常に浮いた状態になってしまいます。
浮かび上がった分の重さが固まった筋肉にかかり、仰向けの間中、何時間も同じ筋肉に負担がかかってしまうのです。考えるだけでも肩回りが固くなってきます。
巻き肩の原因になっているコリを解消するのが、もちろん最善なのですが、浮かび上がった肩の重さを支えるという方法もあります。
やり方は簡単、普段使っている枕の下にバスタオルやタオルケットなどを畳んで置き2段になるようにしてみてください。
肩の重さが下段のタオルに乗るので、問題になっていた負担がなくなります。
注意点としては、横向きで寝る人には効果がありません。
肩置きの高さ目安は3cm程度。お好みで調整してみてください。
理由③「マットレスのことを考慮していない」
結構盲点になるのが枕を買う際に、自宅のマットと寝具店のマットの違いです。
僕も低反発マットレスを好んで使っていますが、体が沈み込む分、枕は低くしないと相対的に枕が高くなってしまい、「ちょうど良かった枕」が「合わない枕」になってしまいます。

これは、引っ越した際に布団からベッドに変わって、せんべい布団から低反発マットレスに変わった際に自分で体験しました。
枕だけ、もしくはマットレスだけ変えてしまうとこういった弊害もありますので、購入する際は普段自分が使っている寝具の状態を考慮するようにしてみてください。
いかがでしたでしょうか。
- 背骨のコリ
- 巻き肩
- 寝具の沈み方
以上が特に当院でよく患者さんにアドバイスさせていただいている改善ポイントです。
コリや巻き肩の解消は、症状が出るほど進行しているとセルフではなかなか難しいので
気になる際はぜひご相談ください。