急な寝違え、ぎっくり腰…病院、整骨院がやっていない時の過ごし方
寝違え、ぎっくり腰とは、いわゆる急性に痛くなった首・肩・腰痛の俗称です。
人によっては身動きすら取れなくなるほどの激痛で、すぐにでもどこかの医療機関で診てほしい…!と思いますよね。
当院にも、そんな電話がしばしばかかってきます。
しかし、そんなときに限って夜間だったり、休日だったり、予約枠に空きが無かったり…
なんて事もあります。
今日の記事は、そんな時のやり過ごし方についてまとめてみました。
急性期の症状には鉄板ともいわれる対処法があります。
それが安静・冷却・圧迫・挙上(心臓より患部を高くする)の4つでそれぞれの英語の頭文字をとって応急処置の4原則、「RICE処置」なんて言われたりもします。
RICE処置について書かれている記事は沢山ありますので、今回はその中でも
簡単そうで意外と実践できない【安静】というもについて取り上げていきます。
〇安静の大切さ
寝違えやぎっくり腰だけでなく、慢性の痛みやケガ、疾病に至るまで、その回復速度に大きく左右するものの一つが安静です。安静とは、患部にかかるストレスを出来るだけ減らし、自分の回復力を最大限発揮させるための、大切な治療方法の一つなのです。
〇安静とは
安静=運動をしないこと と言う認識の人も少なくありません。
激烈な痛みで身動きを取れない、とまでいかない場合、だらだらと家で過ごすその体勢や動作がストレスになってしまっている場合があります。
例えば、ぎっくり腰で動くのが大変なので仕事を休み、自宅のソファで映画を見ていた。
例えば、寝違えで首を痛めたので会社を休み、自宅でスマホをいじっていた。
これらは休暇であって、安静ではないですね。
人間にとっては休みになっても、痛めてしまった筋肉は姿勢を支えるのが仕事ですので筋肉がしっかりと休める状態を作って、初めて安静と呼べるのです。
〇【局所安静】を心がけよう
いつもの休日を過ごすことが安静ではない、というのが分かっていただけたところで
実際にはどうすれば、痛めた場所の安静が取れるのかをご説明します。
僕も普段から患者さんにする説明で、局所安静という言葉があります。
例えば、普段からPC作業をしている人は、肩が凝りやすくなります。
これは主に、腕の重さを支えるための筋肉がずっと働きっぱなしになるからです。
では、そんな人が空いた時間をスマホ操作に当てていたり、通勤の時に荷物を腕でぶら下げていたらどうでしょうか?通勤時、仕事中、休息中、状況は変わっているのに、肩の筋肉はず~っと働かされっぱなしになってしまい、そこに由来する症状は増える一方です。
ですので、そういう方には出勤時のかばんはどこかに置く。もしくは働く筋肉を変えるために、肩で背負うタイプにしてもらう。スマホをいじる時は、机の上に腕が乗るような体勢で使ってもらうなどじて、腕の重さを支える筋肉(肩甲挙筋)を安静的に安静にしてもらいます。
これによって、無意識に使われっぱなしだった筋肉を休ませながら使い、回復する余裕を与えてあげれるように心がけ貰っています。
〇寝違えた時の局所安静
寝違えで痛める筋肉は、実は結構種類があります。首の上部から背中まで幅広いです。
しかし、これらの筋肉に共通しているのは頭の重さの影響を受けていることです。
頭の重さというのは、座っていても、立っていても、上半身が起きている限り筋肉に負担をかけます。
ですのでまずは、横になることを心がけましょう。
横になれても、それだけでは安静が足りない場合もあります。
それは背骨が固まってしまい、横になった姿勢でリラックスが出来ていないからです。
そのような時は、枕の下に畳んだバスタオルを入れて、肩の下にも一段つくってあげましょう。
首の下にも枕が当たり、体と隙間が出来るだけ空かない姿勢をとりましょう。

もし興味のある方は、普段の枕に関しても記事を書いていますので、そちらもぜひ読んでみてください。
→「あなたの枕が合わない理由」
〇ぎっくり腰の局所安静
ぎっくり腰にも、痛めた場所によっていくつかタイプがあります。表面の大きな筋肉を痛めた場合は比較的治りも早く、ある程度は体を動かすこともできますが、背骨に近い深層の筋肉を痛めた場合、寝返りすら困難になります。
そのようなぎっくり腰の安静姿勢は、股関節と膝を曲げること。
※適当な絵が無かったので、楽天市場から写真をお借りしてしまいました(汗)
「王様の膝下枕」というそうです。このように股関節と膝が曲がった状態は、座り作業や前傾作業で固まった腰の筋肉が無理に伸びることを予防し、負担を減らしてくれます。
余談ですが、この姿勢じゃないと寝るのがしんどいなと感じ始めたら、ぎっくり腰の前兆ですので、早めの治療をお勧めします。
いかがでしたでしょうか、もしすぐに治療を受けられない場合や、痛みが引いてくるまでの間は、痛めた場所の局所安静を心がけて、一日でも早く痛みが引くようにしましょう。

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