女性に警告!老後の『貯筋』が足りない!!
昔ほどではないのですが、整骨院には今も高齢の患者さんが多くいらっしゃいます。
皆さんの話を聞いていると、老後を楽しむために必要なこと…それは

自分の足で外出できること【重要】
日常生活を他人の手を借りずに送れる期間を健康寿命といいますが
この健康寿命の根源にあるのは、なんと言っても筋肉です。
老後資金が年金+2000万円の貯金といわれ頭が痛くなったことも記憶に新しいのですが
「筋肉を貯めておく」ことの重要性、少しでも感じていただけたら幸いです。
どのくらい筋肉が必要?
筋肉といっても色々ありますが、今回着目する筋力は太もも。
当たり前ですが、太ももの筋肉は立ち上がりや歩行に必要不可欠。
つまり老後に一人で外出するためには太ももの筋力が重要、ということですね。
次は筋力の評価を簡単に説明しますが、理屈はよくわかんない!
という方は、下線部を読み飛ばして頂いても大丈夫です(笑)
運動の評価として、体重を太ももの筋力で割った数値が使われます。
名前は覚えなくていいですが膝伸展筋力体重比と言います。
太ももの筋力は、ジムで見かけるあんなイスの感じで片足ずつ測ります。
例えば、体重50kgの人で太ももの蹴る力が40㎏であれば0.8。
蹴る力が20㎏しかなければ0.4となります。
この数字が減れば減るほど階段のぼりや歩行が困難になっていく指標になります。
引用元より数値は少し簡略化していますが、以下のような検証がされています。
健常者の年代別膝伸展筋力体重比(理学療法ジャーナル2004より)
20歳代 | 30歳代 | 40歳代 | 50歳代 | 60歳代 | 70歳代 | 80歳代 | |
男性 | 0.96 | 0.85 | 0.78 | 0.76 | 0.64 | 0.56 | 0.49 |
女性 | 0.74 | 0.65 | 0.64 | 0.59 | 0.50 | 0.46 | 0.39 |
ご覧のように、年代が上がるにしたがって数値が低下しています。
ここで、具体的にどのくらいの数値で何が困難になっているかを説明しますと
0.5以下では階段のぼり(17cm16段)が困難になり始め
0.4以下では屋外での歩行が困難になり始めます。
さらに数値が下がって0.25以下になると自立歩行は完全にできなくなってしまいます。
以上の検証から、男性は80歳代、女性は60歳代あたりから階段のぼりに必要な筋力が不足してきます。

もちろん、これには個人差がありますので、平均的に過ごしていての目安となります。
表から読み取れるのは、女性は男性より20年も早く筋力的に日常生活が送りにくくなるということです。なかなか衝撃的な数字ですね。
ましてや女性の平均寿命は男性よりも6年長い87.45歳(2019年)。運動に関しては男性よりもしっかりと取り組む必要がありますね。
〇筋肉を維持する目安
筋力をキープするのに必要な運動量は
『日常生活+週1回以上の筋トレ』が目安となります。
ここでの筋トレとは、マシーンで行ういわゆる筋トレでも良いですし
長時間の散歩や山のぼり、サイクリングなど趣味の運動でも構いません。
例えば、1時間のサイクリングを週に1度行っていれば、その分の筋力は維持できる
という事になります。

50代以降では加齢により筋力は年に2%ほど低下しますので、長期間でみるとやはり筋力は減少してしまいます。
〇貯金も貯筋も、『習慣』が大切!!
筋力というのは、宝くじのように一発逆転で手に入れるものではありません。
日々の生活の中で無理なく取り入れることで少しずつ培っていくものです。
続けられる運動を見つけ、週に1回以上継続して行っていきましょう。
〇お薦めの運動
どんな運動が良いのか、という質問も患者さんからよく頂きます。
個人的にお薦めなのはダンス・舞踏・武道。それにヨガやピラティスなども良いですね。これらは年代によって激しいものから、ゆっくりしたものまで同じ種目の中でバリエーションが付けられます。しかもこれらは姿勢に関して学ぶことが多く、体力維持に重要なインナーマッスルを積極的に強化していくことになりますので、それもお薦めの要因です。
年を取るほど新たな動きを習得するのが難しくなってきますが、若いころから積み上げていけるので長く続けられるのが良いですね。
普段よく散歩をされる方は、散歩コースに坂道や歩道橋などを入れてみましょう。
西荻窪近辺ですと、善福寺公園上池にある階段は池を見渡せて良い眺めですし、青梅街道や五日市街道にある歩道橋から道路を眺めるのも意外と好きです。
善福寺公園上池、高台からの眺め。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉が見事ですよ。
撮影日は冬ですが(笑)
長くなりましたが、皆さんが1日でも長く健康的に生活できるようお祈り申し上げ、この文章を締めたいと思います。最後までありがとうございました。