舌を見るとわかる、あんなこと、こんなこと♪
こんにちは。立春が過ぎ、陽ざしの中にほんの少し暖かさを感じるようになりました。
さて、皆さんはご自分の舌をじっくりと観察してみたことがありますか?
舌は体の中で1番新陳代謝が高いところで、舌の表面の細胞は3日~1週間で生まれ変わると言われています。
そのため、体の中の変化や全身の状態をリアルタイムで覗くことのできる場所なのです。お口の中や舌にできた傷なんかは、比較的すぐに治りますよね。
鍼灸の治療で、体を診るときに大切にしている3つのポイントがあります。
まずは脈(脈診)、そしてお腹(腹診)、そして舌(舌診)です。
この3つの場所には、全身の体の状態が反映され、体の中を見なくともある程度予測を立てることが出来ます。

脈診、腹診、舌診は、鍼治療の前には必ず行うんですよ。
そしてもう一つ、お口と舌は胃や腸にそのまま続いていて、直接自分の目で見ることのできる、唯一の消化器官とも言えますね。舌が荒れているのに胃はキレイ♪という人はあまりいないように思います。
このように、お口と舌は胃腸ととても関係が深く、実際の鍼灸の治療でも、口内炎の治療では手や足にある胃経や大腸経の穴(ツボ)を使って治していきます。
とは言え、他人にべろっと舌を見せるのは少し抵抗がありますよね。まずは、ご自分で、舌の観察をしてみましょう。どんなにきれいに身なりを整えていても、舌を見ればだいたいの生活スタイルは予想できるほどです。舌の様子は今の自分の体そのもの。
うれしはずかし舌のチェック!さあ、やってみましょう。
① 健康な舌はこんな感じ
- 色はピンク
- 白い苔(こけ)が薄く乗っている
- 程よい大きさと厚み
- 適度な潤いがある
②明るいところで、舌を観察してみよう
【形】
舌のふちに歯の跡がつくのは、体に水分が溜まってむくんでいる証拠。(舌がむくんで、本来の大きさより大きくなっているので歯形がつくんですね)
また、舌の表面が割れてひびが入っているのも要注意。エネルギー不足や、体が乾いているというサインです。
【色】
健康な舌の色は薄いピンク。
色が変わったら、体に異常があることのサインになります。
例えば赤っぽくなったら、体に余分な熱があるということ、紫は冷えの状態を表します。
【舌苔(ぜったい):舌の上のコケ】
白っぽく、うすーい苔がついているのが健康な舌。
苔の色が黄色っぽかったり、ネバネバした苔がついていたり、舌の色が透けて見えないほどべっとりと厚い苔がついているのは食べ過ぎの証拠。熱性の食べ物(※)を多く摂ったり、消化不良で胃の中に食べ物が残っているような時にも黄色い苔がつきます。
また、舌磨きをしていないのに全く苔がないのも胃腸の調子が悪いことを表します。
※熱性の食べ物:体を温める作用が特に高い食べ物で、唐辛子やこしょう、花椒など。
【舌の裏側】
舌の裏側に見える静脈は1~2mm位の太さ。太く過ぎたり、紫や青色が強いと瘀血(おけつ)状態(※)と言えます。
※瘀血(おけつ):血液の流れが悪く、ドロドロになり新陳代謝が低下した全身状態のこと。
③最後に
舌の様子は毎日変わります。ちょっと食べ過ぎが続いたりお腹の調子を崩したら、翌日ぜひ観察してみてください。きっといつもと違う舌の様子が見られるはず。
そしてその状態は、長くは続きません。
お腹や体の調子が戻るとともに、舌の様子も変化していくのがわかるでしょう。
気になる舌の状態が続いた時には、ぜひ一度鍼灸院の扉を開けてみて下さいね。