ストレスとは刺激すべての総称
ストレス、というとなんだか諸悪の根源のような気がしませんか。
ストレスとは正確には「外部から受ける全ての刺激」の事を言います。
良いストレス、悪いストレス
全ての刺激、というのは文字通り、五感で感じられるものや、それによって引き起こされる精神的な負荷など全ての刺激の事ですね。眠りを誘うような音楽や、爽やかな風もストレスと呼ぶことができます。
そもそも、ある刺激を心地よく感じるか不快に感じるかは、個人の主観によります。
例えば、激辛のラーメンを喜んで食べる人もいれば、むせて食べられず怒ってしまう人もいます。
つまりストレスというのは、受ける人の感じ方によって良くも悪くもなるのです。
ストレスが体に与える影響
鍼灸師であれば必ず勉強する「セリエのストレス学説」というものがあります。体に害を与えるストレスと、体の反応について説明されたものです。
いわゆる理不尽な上司像を例に出してご説明しましょう
〇有害なストレスを受ける | 上司から理不尽な対応を受ける |
① ショックを受けて元気がなくなる | 1、対応に絶句、落ち込む |
② 全てのストレスに全力で抵抗する | 2、怒りが込み上げてくる |
③ 有害なストレスにのみ抵抗する | 3、適当に受け流す術を身に着ける |
④ 疲弊して限界を迎える | 4、しつこ過ぎて心が折れる |
こんな感じですね。②の状態は免疫力を猛烈に高めますが、長続きしないので③の省エネモードに移行するという感じですね。
ただ、ここで上手く体力を回復させたり、原因のストレスに対抗しておかないと、いつかは疲弊してしまいます。
世間には長時間ストレスに悩まされ、残念な結果になってしまったニュースが絶えませんが、③の状況があまりにも長く続くようならば余裕があるうちに、その場から逃げ出すのも大いに有りです。
ただ最初から逃げ出していては何の力もつきませんから、ちょっとは頑張りましょう(笑)
ストレスへの耐性。剛と柔
ストレスに抗う能力を一般的にストレス耐性と言いますが、僕はストレスに耐える耐久力と、ストレス自体を減少させる緩衝力に分かれられると考えています。
まず、ストレスを受け止める耐久力。
これはイコール体力の事ですね。健全な肉体には健全な魂が宿るといいますが、やっぱり健全な体はストレスに対しても強いです。寝れば体力は回復するし、考えたり行動する余裕も生まれます。
コロナ禍で多くの人が運動の機会を奪われている現状では、世界全体でストレスへの抵抗力が落ちているといっても過言ではないですね。
次は緩衝力です。
これは慣れもありますが、一番大事なのはストレスに対して考えることです。
最近では老後の不安、という言葉が多く見られますが、漠然とした老後像がストレスの原因になります。これに対して老後必要になる具体的な金額や暮らし方などをプラン立てすると不透明さが消え、漠然とモヤがかかっていた像がはっきり見えてくるので、ストレスはほとんど感じなくなります。
これは実体験ですが、むしろ老後が楽しみになってきたくらいです。
このように、ストレスに感じている事柄も、分析して対策を作ることで心への負担を減らすことは大いに可能です。自分で解決できないことは専門家や頼れる年長者に相談してみましょう。意外とあっさりストレスにならなくなるかも知れませんよ。
体力と考え方に余裕を持つ
この様にストレスというのは自分を蝕むものでもあり成長させてくれるものでもあります。
それがどちらに作用するかは、自分の考え次第。
そして大事なのは、自分でどうにもならないなら体力・思考力が尽きる前に逃げ出せってことですね。
私たちの仕事は体に回復力を取り戻すことです。
疲れや痛みが寝ても解消しないときは、回復力が日々の疲労に負けてしまっている状態です。
ご自分でのケアが間に合わないときは、我慢をせずご相談ください。