「ロコモ」を知って寝たきり・要介護対策!
体の動きを担う筋肉・骨・関節などの「運動器」の衰えが原因で、立ったり歩くといった機能が低下した状態を「ロコモ」(正式名称:「ロコモティブシンドローム」 和名:運動器症候群)といいます。
ロコモが進行すると、段々と動作が緩慢になり、ついには要介護な状態になってしまう可能性があるのです。
骨や筋肉は30歳ごろにその量のピークを迎えその後徐々に低下していきます。そして50歳あたりから、加齢による衰えやケガや病気などがきっかけとなりロコモが始まりやすくなります。
ロコモティブシンドロームの原因は?
ロコモは、以下のような原因から生じます。
- 加齢による筋力やバランス能力の低下
加齢によって全身の筋肉量や筋力は自然と低下していきます。
特に下半身の筋力が低下すると、移動機能が低下し、動くことが辛くなります。そして運動不足となり、更に筋力が低下するという、負のスパイラルに陥ることは少なくありません。
また、加齢や日頃の運動不足によって、バランス能力や神経伝達反応の感度も低下します。
筋力とバランス能力の両方が低下すると、ロコモになる可能性は更に高くなります。
- 骨や関節、筋肉の病気
骨・関節・筋肉の病気によって移動機能が低下し、ロコモに陥るケースもあります。特に「骨粗鬆症」「変形性関節症」「変形性脊椎症」は3大原因病といわれています。
これらの疾患も痛みを伴うことから安静を取る期間が長くなり動けない、動きたくないという状態になり、運動不足となり、筋力が低下するという、負のスパイラルを起こします。
特に女性は、50代を過ぎたころから骨密度が急激に減少することが多いので、転倒・骨折などに注意しなければなりません。
症状の進行
そして以下のような段階を行き来しながら、身体状況が悪化する経過をたどることが多くあります。
1)筋力が衰える→ 2)体のバランスがとりにくくなり関節などに痛みが出る→ 3)歩きづらくなり歩く機会が減る→ 4)1人では歩けなくなる、寝たきりになってしまう
ロコモティブシンドロームのセルフチェック
ロコモかどうか、簡単にチェックしたい場合、下の項目に当てはまるかどうかをみてみましょう。
- 片脚立ちで靴下がはけない
- 家の中でつまずいたり、滑ったりする
- 階段を上るのに手すりが必要
- やや重い家事をするのが難しい(掃除機を使ったり、布団を上げ下ろしするなど)
- 2kg程度の買い物袋を歩いて持って帰るのが難しい(1リットルの牛乳パック2個)
- 15分間続けて歩くと激しく疲れてしまう
- 横断歩道を青信号の時間で渡りきれない
1つでも当てはまったら、ロコモの可能性があります。
ロコモティブシンドロームを予防するには?
今からでは遅いとあきらめずに、日常生活の中で少しずつ体を動かすように意識したり、適切なトレーニングをすれば、筋力の維持や回復、そしてロコモの予防につながるのです。
具体的な予防法を挙げますので、ぜひお役に立ててください。
- 運動でロコモ予防
予防のトレーニングは、どのような方法でもかまいませんがはじめから辛いトレーニングを行ってしまうと続かなかったり、筋肉や関節を痛めてしまう恐れがあります。
おススメなのが、太ももの後ろなど大きな筋肉を鍛えるための
「スクワット」と、
バランス能力を鍛える
「片脚立ち」です。
スクワットは、5~6回を1セットとして1日3セットが目安です。
片脚立ちは、左右1分間を1セットとして、1日3セットが目安です。
まずは続けることが大切ですが正しく行わないと効果が出ないばかりか体を痛めてしまう事もありますので詳しくはスタッフまでお気軽に声をかけてください。
またこれらのトレーニングだけでなく日頃からウォーキングやこまめに体を動かす習慣も必要です。
- 食生活の工夫でロコモ予防
筋肉や骨をつくる栄養素を十分に摂取することも、ロコモの予防には欠かせません。骨のもとになるのは、カルシウムやたんぱく質、そしてビタミンDとビタミンKなどの栄養素です。
筋肉を保っていくには、まず体を動かすうえでのエネルギー源となる炭水化物や脂質をきちんと取ることが大事です。筋肉のもとになる良質なたんぱく質の摂取も不可欠です。
バランスの良い食事を心がけることも大切なのです。
- マッサージ効果でロコモ予防
マッサージを受けることは「運動」「食事」の効果を上げる手助けになります。血流が良くなることで全身に栄養が行き渡りやすくなります。また筋肉の柔軟性が向上し、関節など可動域が広がります。全身のバランスを整えることで運動機能が良好になります。更に免疫力を上げることにもつながります。
定期的な体のケアはロコモ予防にも大変有効なのです。
幾つになってからでも、体は毎日の努力にしっかりと応えてくれます。体作りの意欲が減退することが、体力を衰えさせる原因になってしまうこともあります。
思い立ったが吉日、今日から少しずつでも体作りをして、健康に過ごせる時間を手に入れましょう。