4・5番の腰ヘルニアと言われた方へ
腰ヘルニア
最近はテレビなどでもよく耳にするので、腰のヘルニアをご存知の方は多いと思います。
「ヘルニア」とは身体の一部が、あるべき場所から突出してしまった状態のことで、腰のヘルニアは、正しくは「腰椎椎間板ヘルニア」と言い、骨と骨の間にあるクッションのような役割をしている椎間板が、何らかの原因で圧力がかかり、それが理由で突出して脊髄神経を圧迫、炎症を起こした状態のことを言います。
馬尾(ばび)神経
脊髄神経が損傷すると、感覚、運動機能が低下します。腰の神経でいえば、足のしびれ、足に力が入らない、足を触られている感覚がない、オシッコが出にくいなどの排泄障害も現れることがあります。
脊髄神経とは背骨の脊柱管を通る神経なのですが、腰椎二番から下は細い神経が束になって集まっていて、馬の尻尾のように見える事から、「馬尾神経」と呼ばれています。
腰ヘルニアの中では、腰の可動域が一番大きい、腰椎4・5番のヘルニアになる方が圧倒的に多いです。そして、ここのヘルニアが圧迫するのが馬尾神経となります。
(参照:写真 脊椎手術.com)
ヘルニアの対処法
ヘルニアの対処法として、切除手術する観血的療法と、投薬、注射、コルセット装具などの保存療法があります。
この馬尾神経の圧迫は、もちろん、ヘルニアの程度にもよりますが、細い神経なので、ヘルニアがあっても、そこまで1本の神経が圧迫を受けず、切除手術が必要ないのではないかと言われている部分でもあります。
病院で、痛み止めや、注射、コルセットを勧められて

「これで様子を見ましょう」
と言われた方は多いのではないでしょうか。
しかし、痛みが取れず、長引いている方が多いと思います。
改善&予防の運動
そこで、実際に腰椎椎間板ヘルニアになったことがある筆者が、改善の為に行い、今も予防のために続けている運動をご紹介します。
①長座での前屈:お尻、脚ウラの筋肉を伸ばします。

お尻の殿筋や、脚ウラのハムストリングス、腓腹筋が固いと、腰を前に曲げようとした時に、お尻、脚ウラの筋肉で支えられず、腰の筋肉に負担をかけてしまい、腰椎を圧迫します。
②片足をついて体を前に出す:股関節のつけ根(腸腰筋)、大腿の筋肉を伸ばします。

腸腰筋が固いと、仰向けに寝た時に脚が伸びず、無理に伸ばそうとすると腰椎を圧迫します。立位では反り腰になりやすいです。
③四つ這いで体を捻る:肩甲骨、肋骨を広げるように捻ります。

肋骨が固いということは胸椎の動きが固いと言えます。腰椎の上の胸椎が固いと、前屈や後屈などの何かの動作の時に腰椎に負担がかかります。
④スクワット:お尻の筋肉に刺激を入れます。

前屈時に体を支える殿筋のトレーニングです。
⑤手を伸ばして骨盤を前後に傾ける:腹筋、腰、お尻の筋肉に刺激を入れます。

腹筋と背筋のトレーニングです。腰椎を支える腹筋と背筋(脊柱起立筋)の柔軟性を上げます。反り腰、猫背の予防にもなります。
⑥手を伸ばして横に側屈:肋骨を広げるように伸ばします。
肋骨と胸椎の柔軟性を上げます。

①~⑥の動作を30秒ずつ行いましょう。
☆注意点
4・5番のヘルニアといっても、できる場所や大きさなど、個人によって違います。
上記の運動で、しびれや痛みが出る動作は省きましょう。