~いつまでもあると思うな親と筋~
転倒予防トレーニング
このごろ70代以上の高齢者の方が自宅で転倒する話をよく聞くようになりました。
高齢者の転倒事故の約7割が自宅で起こっているそうです。
自宅の中での転倒しやすい場所は以下の通りになっています。
- 居室・寝室 45%
- 階段 18.7%
- 台所・食堂 17.0%
- 風呂場・水面所 5.4%
- 玄関・縁側 5.2%
≪参考:国民生活センター『医療機関ネットワーク事業からみた家庭内事故-高齢者編-』≫
居室、寝室は一見、安全な場所のように思えますが、カーペットの僅かな段差や、コードに足を引っかけて転倒することが多いようです。
このことからも、転倒する方の多くは足が上がっていないのと、風呂場や玄関などの足場が滑りやすい所での足の踏ん張りがきかないことが分かります。
「でも、まだ70代でもないから大丈夫!」と思われた方は、こちらのグラフをご覧ください。
≪グラフ資料:大人の筋活サイト≫
ご周知のように、筋肉量は加齢とともに落ちていきます。

25~30歳ぐらいをピークに徐々に落ちていき、55歳頃から急降下。
60歳にはピーク時に比べて約60%まで落ちると明記しているデータもあります。
特に男性の方が女性よりも筋肉量が多いせいか、筋肉量の変化率が大きいです。
他人事ではないですね。
「俺は足腰がしっかりしているから大丈夫!」と思っている方でも、今から予防の為に気をつけていきましょう!
では、どう予防すれば良いかというと、やはり筋力トレーニングになります。
筋肉量は加齢とともに落ちていきますが、筋力トレーニングによって、その変化率を小さくすることができます。
転倒予防トレーニングの代表的なものでは、椅子に座って膝を伸ばす大腿四頭筋トレーニングがあります。
もちろん、弱った太腿の筋肉を狙って鍛えるのには効果的なトレーニングです。しかし、私たちの日常生活では、一つの筋肉を働かせて動くことは少なく、複数の筋肉を同時に連動させて動くことが多いです。

例えば、お辞儀をするだけでも、背筋をまっすぐに保とうする首・背中の筋肉、上半身がそのままに前に倒れないように支えるお尻・足の筋肉、逆に上半身を前に曲げようとするお腹・股関節の筋肉のように複数の筋肉が働く。
ですので、今回は、「段差でつまずかないように足を上げる」「転びそうになった時に一歩前に足を出して踏ん張る」複数の筋肉を連動した転倒予防トレーニングを紹介していきます。
☆ニーアップ
①
②
③
④
①立った姿勢から
②足を後ろに一歩引く
③後ろに引いた足をできるだけ高く上げる
④上げた足を再び②の位置に戻す
10回×3セット。片方の足が終わったら、逆の足も行いましょう。


※バランスが崩れやすい方は、しっかりした椅子や机につかまりながら行いましょう
☆フロントランジ
①
②
③
④
⑤
①立った姿勢から
②足を高く上げて
③肩幅の広さに一歩前に足を出す
④膝が足首よりも前に出ないように90度に曲げていく(腰を垂直に落とす)
⑤再び①に戻る
10回×3セット。片方の足が終わったら、逆の足も行いましょう。


※バランスが崩れやすい方は、しっかりした椅子や机につかまりながら行いましょう
「最近、両親の足がおぼつかないな」と思う方
「最近、両親の足がおぼつかないな」と思う方は、ご両親にもこのトレーニングを勧めてください。
少しでも筋力の衰えを感じたら「そのウチにやろう」と後回しにせずに、すぐにトレーニングを始めましょう。
後で後悔しても、過去の体を取り戻すことはできませんよ。
いつまでも動ける体でサクセスフル・エイジング(幸福な老い)を目指しましょう!