転倒予防トレーニング・小脳編
平坦な道で転倒しそうになった、あるいは転倒した経験がある方は「齢だな。筋力が落ちてるな。」と感じて、転倒予防の為に足腰の筋力トレーニングをする事が多いと思います。
もちろん、体を支える、咄嗟の時に足で踏ん張れる筋力は必要ですので筋力トレーニングはした方が良いです。ただ、筋力が強ければ良いというわけではありません。
私たちは、歩行で一歩前に足を出す際に、先ず目で、道が平坦か傾斜があるかデコボコかを確認して足を着きます。そして着いた足でも、少し前に傾斜がある、デコボコしていると感じた時に “足関節を上げる筋肉を緩めよう、伸ばす方を強めよう。外反する筋肉を緩めよう、内反を強めよう。膝関節を伸ばす筋肉を少し緩めよう、曲げる方を少し縮めよう。股関節を曲げる筋肉を少し緩めよう、伸ばす方を強めよう。腹筋を…” という動作を一瞬のうちに無意識化で行っています。
私たちは、様々な角度から関節に繋がる筋肉を強めたり、緩めたり、縮めたり、伸ばしたりすることで体を動かしています。ただ、筋力が強ければ良いわけではありません。バランスよく使えることが大事になります。
そして、先の一連の動作による、目から入る情報、筋や腱の深部感覚からの情報、平行感覚からの情報から運動(筋肉)を調節する役割を担っているのが、実は小脳なのです。

この小脳がうまく働いていないと、何もない平坦な道でも転びやすくなってしまうのです。
というわけで、今回は、転倒予防トレーニング・小脳編をご紹介します。
①
②
③
④
①~④:ふらついても寄りかかれるようにドアや壁の前に立ちます。同じく、いつでもつかまれるように、横に椅子などを用意しましょう。
これで準備はOK!
ここからスタートです。
STEP 1
⑤
⑤:肩幅より少し広めに両手を前に出し、親指を立てます。
⑥
⑥:右大腿を上げます。その状態のまま、両目で右、左、右、左と前に出している親指を交互に見ていきましょう。
右、左を10往復するまで見ていきましょう。
⑦
⑦:今度は逆の足、左大腿を上げたまま、同じように10往復するまで交互に親指を見ていきましょう。

Point:交互に見る速度が速くならないように、一定のテンポで見ていきましょう。
※:大腿を上げ続けるのが難しければ、途中で下ろしてもかまいません。できる範囲で行いましょう。バランスが崩れる場合は、椅子をつかむか、ドアや壁に寄りかかりましょう。
STEP 2
⑧
⑨
⑧~⑨:次は親指を前後させましょう。片方の親指を目から近い場所に、もう片方は目いっぱい遠くに前に出します。
⑩
⑩:右手を遠くに前に出した時は右大腿を上げます。その状態のまま、両目で前、後ろ、前、後ろと親指を交互に見ていきましょう。
⑪
⑪:今度は逆にします。左手を遠くに出し、左大腿を上げたまま、同じように10往復するまで交互に親指を見ていきましょう。
前、後ろを10往復するまで見ていきましょう。

Point:交互に見る速度が速くならないように、一定のテンポで見ていきましょう。
※:大腿を上げ続けるのが難しければ、途中で下ろしてもかまいません。できる範囲で行いましょう。バランスが崩れる場合は、椅子をつかむか、ドアや壁に寄りかかりましょう。
これをすればすぐに良くなるわけではありません。
続けることが大事です。毎日、必ず1回は行いましょう。
いつまでも動ける身体を維持し続けましょう!