交通事故のトラウマ・心的外傷について
こんにちは、杉並整骨院の外山です。
今回は交通事故における心的外傷について解説をしていきます。
PTSDという言葉は聞いたことはありますでしょうか?
災害や事故、事件で自力ではとても対処しきれないような心の傷となる体験(トラウマ体験)をした後におこる病態を、「心的外傷後ストレス障害・PTSD」と呼びます。
震災や洪水など災害時、また災害以外でも交通事故で自身の生命の危険や同乗者の死傷の恐怖体験が、心的外傷を引き起こすことがあります。
PTSDの兆候・症状
①フラッシュバック
- かつて体験したトラウマの苦しい記憶が、時を選ばず心の中で再現される
- 苦痛なトラウマの夢を繰り返し見る
- 突然、あたかもトラウマとなった出来事を再体験しているような行動をしたり、感覚、錯覚、幻覚が起こる
②トラウマに関連する刺激の回避・感覚の麻痺
- トラウマに関連する考えや感覚を極力避けようとする
- トラウマを思い起こさせる行動や状況を避けようとする
- トラウマの重要な局面を思い出すことができなくなる(心因性記憶喪失)
- 日常生活や仕事における重要な活動に関心をなくしてしまう
- 他人から引き離されて疎遠になったような感覚を覚える
- 愛情の範囲が制限され、恋愛感情が持てなくなる
- 未来に希望が持てなくなる
③感覚・神経の過緊張
- 寝つきが悪く、眠りも浅くなる
- 怒りっぽい、あるいは怒りを抑えられなくなる
- 集中できなくなる
- 警戒心が強くなりすぎる
- ささいなことに大袈裟に反応する
- トラウマとなった出来事を象徴するようなこと、あるいは似た光景に遭遇すると心理的な反応があらわれる

杉並整骨院外山院長
これらの症状はトラウマ体験の直後だけでなく一ヶ月以上経ってから発症することもあり、期間が長い例では事故から10年後に発症したケースもあります。
子供のPTSD
PTSDは大人・子供あらゆる年齢層で起こります。子供が普段と著しく異なる行動をとるようなら、次のような兆候からPTSDが疑われます。
- トラウマについて一言もしゃべらない、あるいは話し合うのを拒絶する
- 幼い子供の場合、トラウマの苦しい夢は数週間のうちに一般的な怪物の出てくる夢や誰かを救う夢、あるいは子供自身か他の誰かを脅かす悪夢へと変わることがある
- 何度も繰り返しトラウマをごっこ遊びで表現することで、トラウマをやわらげる行動をする
- かつて大切であった行動に対する興味や、人・ペットへの関心が薄くなる
- 将来の希望や夢に対して態度が変わり、興味を持たなくなる
ただし、このような状態がただちに起こるとは限らないことを記憶に留めておきましょう。反応が遅れて出ることは珍しいことではないからです。
PTSDの治療
こうした症状は交通事故の直後であれば多くの人に現れるものです。ですので、事故から一ヶ月ほどは様子を見て自然の回復を待ちましょう。
数ヶ月経っても症状が継続するようであれば、精神科を受診して医師の診断を受けましょう。
交通事故・むちうち損傷についてのお悩みは杉並整骨院までお気軽にご相談ください。
参考文献:
<新装版>トラウマ––––「心の後遺症」を治す ディビッド・マス著 株式会社講談社
厚生労働省 知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス 総合サイト
PTSD|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省こころの病気といっても、種類も症状も様々。病名をつける方法は体の病気とは考え方が異なり、主に症状や持続期間、生活上の支障などから診断名をつけます。