高血圧は要注意!命を奪う「血圧サージ」とは?
こんにちは!好きな食べ物は「塩」の外山です。
塩サバ、塩豚、塩パン、塩ラーメン…どれも美味しいですが、私もそろそろ血圧に気を付けなければいけない年齢です。実際、高血圧は日本人にとって最大の生活習慣病リスク要因です。
と言うわけで今回は高血圧の予防について解説をしていきます。
◇高血圧の基準とその要因
日本の高血圧と診断される基準は以下のとおりです。
- 医療機関での測定 140mmHg/90mmHg以上
- 家庭での測定 135mmHg/85mmHg以上
※収縮期血圧(上の血圧)/拡張期血圧(下の血圧)
そして血圧を上昇させる要因としては大きく3つに分けられます。
- 心臓が拍出する血液量の増加
- 末梢血管の抵抗の増加
- 動脈硬化

動脈硬化は血管の老化現象でもあるため、高齢者ほど高血圧症が多いのはこのためです。
◇「血圧サージ」は脳卒中、心筋梗塞を引き起こす!
血圧サージとは一過性の急激な血圧上昇のことを言います。
サージ(surge)とは「波のように押し寄せる」という意味があり、急激な血圧変動を高波に例えて造られた言葉です。
この血圧の急上昇により脳卒中やくも膜下出血、大動脈瘤破裂や大動脈解離、また血栓も詰まりやすくなり脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。

特に午前中は血栓ができやすい時間帯ですので注意が必要です。
◇基本の高血圧対策
日本人の一番の高血圧の原因は塩分の取り過ぎです。
したがって基本的な高血圧予防は「減塩」です。
◎食事
塩分は6g/日未満が目安です。
塩分の多い食事は少なめにして野菜やきのこ類、海藻や果物をバランスよく摂りましょう。これらの食品にはカリウムが含まれており、余分な塩分を体外に排出する働きがあります。こちらは積極的に取りましょう。
肥満も高血圧の原因となります。予防・解消のために腹八分目を心がけましょう。また、週に一回は体重を測ることをオススメします。

禁煙、減酒をしましょう。喫煙は血管にダメージを与えるため様々な疾患の原因となります。お酒は最低でも週に2日は休肝日を設定しましょう。
塩分が多い食品 | カリウムが豊富な食品 |
漬物 | 【きのこ】 えのきだけ、エリンギ、きくらげ、しめじ、干し椎茸など |
佃煮 | |
明太子・味付けのり・お茶漬けのもと・ふりかけなどのごはんの友 | 【野菜】 小松菜、春菊、にら、ほうれん草、モロヘイヤなどの葉物野菜 かぼちゃ、切り干し大根、さつまいも、じゃがいもなどの根菜 |
ちくわ・かまぼこなどの練り物 | |
魚介の干物 | |
ハム・ベーコンなどの干物 | 【果物】 アボカド、バナナ、干し柿、プルーン、りんごなど |
さきイカなどの干物 | |
汁物(麺類含む) | 【海藻】 あおさ、昆布、とろろ昆布、海苔、ひじき、まつも、わかめなど |
丼物 | |
煮物 | ※腎機能の弱い方は高カリウム血症の恐れがありますので主治医に相談しましょう |
◇血圧サージを防ごう!
◎朝
ギリギリに飛び起きてあわてて身支度をするのは血圧急上昇を招きます。余裕を持って身支度できる時間に起きましょう。あわてずゆっくりと、通勤も余裕を持って家を出るようにしましょう。
冷たい水での洗顔で確かに目が覚めますが血圧急上昇の原因となります。洗顔はぬるま湯で行いましょう。
◎ストレス
仕事や家事にストレスは付きものです。イライラや怒りを感じたら適度に休憩や腹式呼吸、ストレッチをしましょう。トイレで1分間瞑想をするのもオススメです。下記の記事も参考にしてストレス対策をしてください。

◎入浴
脱衣所の寒さに注意!ヒーターなどで暖かくしてから服を脱ぎましょう。熱いお湯は血圧急上昇を招くので38℃〜40℃のぬるめのお湯にして入浴は10分以内にしましょう。
入浴中に手と足のグーパーを繰り返して末梢の毛細血管の血流を促すと、冬の冷え症対策になるのでオススメです。
◎夏
汗をたくさんかくと血液が濃くなって流れにくくなるため血圧が上昇します。また、加齢とともに喉の渇きを感じにくくなるので、定期的に水分摂取をしましょう。
暑い戸外から冷房の効いた室内に入ると血圧が上昇します。外出時は寒さを感じたらすぐに羽織れるものを一枚携帯しましょう。
冷房が効いた状態で就寝すると血管が収縮し血流が悪くなるため血圧が上昇します。タイマーで切るか、タオルケットなどを掛けて体が冷えすぎないように体温調節をしましょう。
◎冬
換気の良いトイレは室内との気温差で血圧が上昇します。ヒーターの設置や、上着を羽織ってから入りましょう。また、トイレでいきみ過ぎるのも良くないので気をつけましょう。
暖かい室内から寒い戸外に出る時も気をつけましょう。首のつく部位(首、手首、足首)を暖かくして外出すると良いですよ。
◎運動
ハードな運動はNGです。いわゆる無酸素運動は急激な血圧の上昇で血管や心臓に大きな負担をかけてしまいます。理想はゆるやかな有酸素運動で最もオススメなのがウォーキングです。数回に分けてもいいので1日30分は歩くようにしましょう。
また、「第2の心臓」と言われるふくらはぎの運動とストレッチも効果的です。ふくらはぎの筋肉はその収縮力で重力に逆らって脚の血液を心臓まで押し上げてくれます。ふくらはぎが動くことで全身の血流が促進されるのです。
◇ふくらはぎを鍛えよう!
〜カーフレイズ〜
- 壁に手をついて、足はコブシひとつ半程度の幅で立ちます
- かかとを上げて、つま先立ちになります
- ゆっくりとかかとを下ろします
☆ポイント☆
- 胸を張って視線は遠くへ
- つま先は常に前向きで
- かかとを上げるときにお尻も締める
- バランスが不安な方や筋力が弱い方はイスに座ってやりましょう
〜ふくらはぎストレッチ〜
- 立ち姿勢で左足を後ろに引いて、両手は右ひざに置きます
- 左のかかとは床につけたまま、右ひざに体重をかけて、左のふくらはぎを伸ばします
- 20秒のばしたら、左右を入れ替えましょう
☆ポイント☆
- 背筋はまっすぐで
- つま先はどちらも常に前向きで
- 後ろ足のひざはしっかりと伸ばしましょう
- 反動をつけずに行いましょう

高血圧対策は「食事」「運動」「睡眠」「ストレス対策」が重要です。その他、健康に関するアドバイスも行っていますので、お気軽にご相談ください。
参考文献
岩嶋義雄 自力で血圧を下げる30の法則 宝島社(2016年)
島田和幸 血圧サージに殺されない50の方法 自由国民社(2018年)
