しかし、歯科医院は一般的な店舗やオフィスとは異なり、
歯科医院やクリニックの解体工事を少しでもお安く行いたい方、業者をお探しの方は要チェックです。
歯科医院の解体・原状回復工事とは?主な3つの工事形態
歯科医院の閉院退去やリニューアルで行われる工事は、賃貸契約書の内容によってどこまで行うかが大きく異なります。まずはご自身の契約書を確認し、以下のどの形態に該当するかを把握しましょう。
① 内装解体工事
店舗の壁、天井、床材、受付カウンターなどを解体・撤去する工事です。リニューアルや、次の入居者に内装を一部引き継ぐ「居抜き退去」の場合に行われます。
② スケルトン工事(スケルトン戻し)
建物の構造体(コンクリートの基礎や柱、梁など)だけを残し、それ以外の内装や設備、配管をすべて解体して「何もない状態」に戻す工事です。商業ビルや一般的なテナント契約の多くは、このスケルトン戻しが義務付けられています。
③ 原状回復工事
「入居時の状態に戻してオーナーに返却する」ための工事です。元々オフィス仕様(床がタイルカーペット、天井に蛍光灯がある状態)だった物件を借りて歯科医院を作った場合、歯科設備をすべて撤去した上で、再度オフィス仕様の床や天井、壁クロスを新設して戻す必要があります。
現在、蛍光灯は生産終了になるので原状回復工事時にはLED照明にしなければならないなど条件が異なるので、回復条件にはオーナー側との話し合いが必要になるでしょう。
原状回復はこうした設備撤去、内装解体、スケルトン工事、原状回復工事、産業廃棄物処理までを含み、入居時の状態に戻す工事も入れた状態のことを言います。
東京都内の歯科医院のほとんどがビルのオーナーと賃貸契約を結びテナントを借りて歯科医院として診療しているケースがほとんどです。
テナントの場合は最初(入居時)の契約に基づく返却をしなければいけないので、必ず条件をオーナーや管理会社にご確認していただくことになります。
建屋やビルがご自身の持ち物件で歯科医院を開設していたというケースもあります。
この場合は配管が通って上がっている床を元の高さに戻し、ユニットやレントゲン室を簡単に撤去し、壁紙などを張り替えるだけの単純なスケルトン工事を行うこともよくあります。
ただし、2026年現在は石油関連製品の入手困難な状況もあり、お見積もりが必要な場合には退去予定日の半年前から行動することをおすすめします。
【2026年最新】東京都の歯科医院解体工事の費用相場
東京都内における歯科医院の解体・原状回復工事の坪単価は、1坪あたり約4万〜10万円が目安です(建物の構造や階数によって変動)。
これに歯科特有の設備撤去費用が加算されます。
坪数別の総額費用目安
20〜30坪(小規模・ビルイン等): 80万〜180万円
30〜50坪(中規模・一般的なロードサイド等): 150万〜300万円
50坪以上(大型法人・複数ユニット等): 300万円〜
※上記はあくまで基本解体費用です。東京都内の「立地条件」や「工事の制約」により、以下の加算要因が発生します。
費用が高くなる主な変動要因
アスベスト(石綿)の有無
2023年10月以降、有資格者による事前調査が完全義務化されています。古いビルでアスベストが見つかった場合、除去費用が数十万〜数百万円加算されます。
高所作業車による看板撤去
あと、看板などを高所作業車で撤去する場合などは価格が高くなります。23区など繁華街のテナントビルなどの場合、外壁に看板が付いている場合は通行人などの量によって作業できる時間が限られてしまいます。
レントゲン室の鉛(防護材)撤去
放射線を遮断するための鉛の壁や扉は、重量があり処分費も高額なため、特殊解体費用がかかります。金属なので高く売れるのでは?と思う方もいらっしゃいますが、ほとんどが石膏ボードと一体になっているので綺麗に剥がすことが困難のため、金属としての価値はほとんどなく、金属単体として買い取ってもらうのが難しいのが現状です。
東京特有の立地制約(夜間・狭小地)
都心の繁華街やオフィスビルでは「日中の工事NG(夜間工事指定)」となるケースが多く、夜間割増人件費が発生します。また、繁華街や駅前などでは前面道路が狭くトラックを留められない場合もあります。バス通りなどが目の前の場合には早朝夜間の搬出。警察署に道路仕様許可の申請を行う場合もあります。搬出口困難な狭小の場合は、手壊し・手運びが増えて工期と費用が伸びます。
こちらは大体の費用相場ですが、カルテやクリアファイル、治療器具などの「残置物の量」で金額が大きく異なります。
院内に残った細々した物はダンボールなどに分別し、普段から少しづつ事業用ゴミとして廃棄していただき量を減らすことによって費用を抑えることができます。
解体工事事業者は、解体工事で発生する瓦礫(がれき)といっしょに廃棄場にトラックなどで運搬し、
「ゴミの量=お金」
で産業廃棄物は通常よりも単価が高くなってしまいます。
分かりやすく言うと、「産廃の量はトラック何台分か?」「解体して瓦礫の搬出は何人で出来るか?」「何日間の工期があるのか?」が工事の価格に反映されるからです。
活動拠点が遠い業者に工事を依頼するよりも、最も得意な地域で活動している業者に解体工事を依頼するのがベストです。
解体工事業者のトラックなどの基地、スタッフ(工員)拠点、廃棄場の近さが価格に出るからです。
こういったケースも現場調査を行い費用を算出いたします。
元々2部屋だったのを抜いて1部屋にして診療所として使っていたケース
こちらもよくあるケースなのですが、オフィス向けの2部屋分の壁を抜いて歯科医院を長年やっていたというケースがあります。
原状回復の条件として、「元々のオフィス仕様に戻すこと」というのはよくある話です。
元の状態がこちら

こちらは床が上がっておらず、壁に配管が設置されている歯科医院でした。
元々2つあったブレーカーが1つしか無い。それを各部屋ごとにブレーカーを新設しなければならない。
エアコンの電源が増設されている。これを元に戻さなければいけない。
仕切っていた元々の壁や窓を元に戻さなければいけない。
消防法に基づいた工事を行い火災報知器をそれぞれの部屋につけて検査をクリアしなければならない。
原状回復が条件の場合にはこういった細かい工事が必要になります。
現状回復工事の後がこちら

床もカーペット、防火カーテンも回復工事の条件に入っていましたのでオーナー様から指示された品番で新調しました。

歯科医院専門の解体業者を選ぶ「5つのチェックポイント」
- 【最重要】歯科医院、または医療機関の施工実績が豊富か
床下の配管位置やレントゲン室の構造、医療機器の扱いを熟知している業者であれば、 作業がスムーズでトラブルがありません。最初のお電話の時点で「現場調査の時にオーナー様、管理会社様も立ち会っていただけますでしょうか?」、「管理会社様から退去の条件を聞いておいてください」、「管理会社様から入居時の図面をもらうことはできますでしょうか?」と工事業者から指示があればデキる業者さんだと思います。 - 見積書が「一式」ではなく、項目ごとに明細化されているか
「解体工事一式:〇〇万円」という見積もりは非常に危険です。何をどこまで撤去するのか、 産廃処分費は含まれているのかが細かく書かれているか確認してく ださい。 - 追加費用が発生する条件が事前に明確か
「壁を開けたらアスベストが出てきた」「コンクリート内の配管が予想以上に深かった」など、 追加費用が出る可能性のある項目を事前に説明してくれる業者は誠 実です。 - 産業廃棄物の処理を適正に行っているか(マニフェストの発行)
解体で出たゴミ(特に医療機器や薬品が絡むもの)は産業廃棄物となります。業者が「マニフェスト( 産業廃棄物管理票)」を適切に発行・ 報告してくれるか必ず確認しましょう。 排出者である院長先生の法的責任に関わります。 - 契約書や保証内容をしっかりと確認できるか
万が一、工事中に建物の共用部を傷つけたり、下の階に漏水させたりした場合の損害賠償保険に加入しているかど うかも重要です。
業者選びのポイント
・歯科医院の施工実績
・契約書を確認できる
・見積書が明細化されている
・追加費用の説明が明確
・産廃処理を適正に実施
問い合わせから引き渡しまで:工事の全ステップ
【ステップ①:現地調査】
業者が現場(歯科医院)を訪れ、床下配管や搬出経路、
↓
【ステップ②:見積り提示】
詳細な明細書の提出を受け、内容を確認。
↓
【ステップ③:契約】
金額や工期、工事範囲に納得したら正式に契約を結ぶ。
↓
【ステップ④:近隣挨拶・各種申請】
ビルオーナー、管理会社、両隣のテナントや近隣住居へ工事の挨拶回りを行い工事日程をエレベーターホールなどに張り出します。エレベーター内やゆかを養生します。道路使用許可等の申請。
↓
【ステップ⑤:歯科設備・医療機器の撤去】
歯科ユニット、レントゲン装置、コンプレッサーなどの精密・専門機器を先に搬出。
↓
【ステップ⑥:内装解体・構造物解体】
壁、天井、床などを解体。床下の配管類も綺麗に撤去。
↓
【ステップ⑦:原状回復(必要な場合)】
契約内容に基づき、床の貼り替えや壁クロス、天井の補修などを行う。
↓
【ステップ⑧:オーナー立ち会い・引渡し】
オーナー、管理会社、院長先生、解体業者の立ち会いのもと、仕上がりを確認して鍵を返却。
歯科医院の解体でよくある質問(FAQ)
騒音や振動、粉塵(ホコリ)が激しく発生するため、
閉院後10日以内に、保健所へ「診療所廃止届」、地方厚生局へ「
大型ビルなどでは、
解体・原状回復費用を1円でも安く抑える「3つの裏ワザ」
① 歯科ユニットや医療機器は「買取・一括処分」を優先する
② 必ず「相見積もり(2〜3社)」を取る
③ 次のテナントへの「居抜き譲渡(事業承継)」を検討する
まとめ
最近おすすめの解体工事業者を探す方法
本記事の執筆・監修協力
東京都内の数多くの歯科医院・クリニックのインプラント治療のコンサルティング業務を担当。


